金田2025/09/26
芸術と食欲と
こんにちは、
豊橋・豊川で「建築家との住まいづくり」をお手伝いしている
㈱荒川工務店 事務の金田です。
過酷な夏の暑さも落ち着いて、だいぶ秋めいてきましたね。
とはいえ、日中は30℃を超えることもまだまだありますが……
今回のブログ、おなじみの、今年の大河ドラマの話をしたかったのですが、
リアルタイムに観れなかったタイミング以降、ここ数回の録画をためてしまい、
実は話に追いついていません。
SNSで最新話までの感想等はちらほら観てしまっていて、
なにやらシビアな展開になっている模様ですね……
録画消費に取り掛かるのには少し勇気が要りますね。
一年の折り返しはとうに過ぎて、物語の中で主人公の蔦重も、成長していきました。
借金だらけの挑戦的な青年時代から、日本橋にどっしり構える大きな商店の主人らしくなってはきて、
相変わらずバリバリ、新しいこと、面白いことを追求してはいるようですが、
物語はいったいどんな結末を迎えるのか。
あと三か月、ドラマを楽しみたいと思います。
ところで、前回のブログは5月、
ゴールデンウィークに藤の花を見に行った流れで、
江戸時代の浮世絵師・歌川広重の作品集「名所江戸百景」の中から、
藤がモチーフになっている「亀戸天神境内」を紹介しました。
WEB上で現物を観てくださった方もいらっしゃいますでしょうか。
実は、前回書ききれませんでしたが、
こちらの作品、ちょっとしたエピソードがありまして……
「亀戸天神境内 初摺」で検索するといろいろ出てきます。
(※一例です)
広重の名作にまさかのミス!? 亀戸天神の #ナゾすぎる 空の色を考察する|
https://www.adachi-hanga.com/hokusai/page/enjoy_121
色をたくさん使った華やかな版画ですが、
最初に刷られたもの(初摺しょずり)と、
あとから刷られたもの(後摺あとずり)と、
色の使い方が違っており、絵の雰囲気も全然変わってしまっているんですね。
絵柄的に、配置の色に明らかな違和感のある部分もあります。
浮世絵は、元となる絵を描く絵師、
書かれた元絵から、印刷するための原版「版木」を彫る彫り師、
版木を使って印刷する摺師と、
完成までに関わる人が多数存在します。
部分ごとで色を変える多色刷りともなると、版木も複数要ることになります。
絵師が書くのはモノクロの線画のみで、カラー絵の「完成図」というものが存在せず、
絵のこの部分はこの色、と、版木を作りながら色を指定する作業が必要でした。
「亀戸~」は指定の段階でなんらかの伝達ミスが起こってしまったのでしょうね。
ひとつの作品で最初に刷る枚数は200枚と決まっていたようなのですが、
売れ行きがいいと、追加販売ということになり、
また同じ版木を使って同じ作品を刷ることになります。
「亀戸~」に関しては、そもそもの想定と違った形の初摺となったため、
後から刷ったものはそれを修正したという形で別物になりましたが、
何度も印刷していく中で、色みや表現方法が変わり、印象が違ってくる作品もあります。
色数や手間のかかる複雑な表現を省いてしまったり、
または版木が摩耗して線がつぶれてしまったりなど、
いろいろ理由はあるようですね。
岐阜県恵那市の中山道広重美術館で
現在展示中の「木曽街道六拾九次之内 摺り違いの愉しみ」は、
木曽街道(※中山道)の各地の風景を描いた浮世絵集「木曽街道六拾九次之内」を取り上げ、
版を重ねた同じ作品の、その時々の違いをくらべてみようという企画展になっています。
出版190年記念 渓斎英泉・歌川広重 木曽海道六拾九次之内―摺り違いの愉しみ―
https://hiroshige-ena.jp/the-sixty-nine-stations-of-the-kisokaido2025/
前々回の2月のブログの中でも書きましたが、
こちらの美術館、以前は新しい展示のたびに年に何回か足を運んでいましたが、
コロナ禍以降まだ一度も行けていません。
面白そうな企画展の会期内に、久々に、どうにか訪問したいところです。
恵那市といえば、やはり、9月に解禁となった栗のお菓子も楽しみで……
そろそろ気候も穏やかになってきた頃合いですし、
お出かけがてら、現地のお菓子屋さんも寄れたらいいなぁと。

それはそれとして、こちらは豊橋市内のお菓子屋さんの栗蒸し羊羹。
滋味深く美味しゅうございました!
それではまた
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